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知って得する日本語の”良い”・”悪い”

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この記事は、東京中央日本語学院様からご寄稿いただいたものです。

 

こんにちは。東京・新宿区にある日本語学校で日本語教師をしているW.Gです。

留学生と交流していると、学生達が日常で色々な勘違いに遭遇していることがわかり、なるほどと思わされることが多くあります。今日は皆さんにその中から、”いい・悪い”を使った例を紹介したいと思います。

「悪いです」

ある日のこと、学生がこんなことを言ってきました。

 

学生:「先生、今日は気分が悪いです」

私 :「どうしたんですか」

学生:「学校へ来るとき駅で大きな荷物を持って階段をのぼっているおばあさんがいたので、手伝いましょうかと言ったんですが、『悪いね』と言われました。私は親切なことをしたのに、どうして『悪い』と言いますか。私は何か悪いことをしましたか。」

 

このおばあさんはなぜ「悪い」と言ったのでしょうか。

皆さんは、手伝ってもらったのに「悪い」なんて、ひどい!と思うかもしれません。

”悪い”という言葉を普段みなさんはどのように使っていますか。”今日は天気が悪い”とか”身体の調子が悪い”とかでしょうか。確かにコンディションがよくないときには使いますね。しかし、日本語の”悪い”には、これ以外にも使い方があります。

 

・悪いんですが、もう少し待ってください。

・わざわざ家まで車で迎えに来てもらって、悪いですね。

・心配かけて、悪かった。

 

こんなときの「悪い」は、申し訳ない・ごめんなさいという謝罪の意味になります。

きっとこの学生が駅で出会ったこのおばあさんは、「私の重い荷物を持ってもらって、あなたに申し訳ない」ということを伝えたかったのでしょう。

「いいです」

ある日の学生との会話です。

日本へ来たばかりのこの学生はコンビニでの体験を話してくれました。日本のコンビニでは何かいろいろ聞かれるのでちょっと緊張すると言っていました。よくわからないままに、「はい」と言ってしまうことも多いようです。

これはそんなある日の体験です。

 

(レジで)

店員:「こちら、おはしおつけしますか」

学生:「あ、いいです!」(この学生ははしが必要でした)

 

学生は「はしがほしいか」聞かれたことがわかって、つけてほしかったようです。しかし、店員は、はしをつけてくれませんでした。学生は何回かトライしましたがコンビニではしをもらえなかったので、しまいに、意地悪でもされているのではと思い私に聞いてきました。

どうしてこの店員ははしをつけてくれなかったのでしょうか。

実はこの「いいです」は、「要らない」の意味に受け取られてしまったのです。日本語の「いいです」にもいくつかの意味があって、断りの意味があります。もし、はしをつけてほしいなら、何と言えばよかったのでしょうか。そんなときは、「はい、お願いします。」と言えばいいですよ。

 

・ポイントカードをお作りしますか。・・・いいです。(要りません。作らなくていい)

・ミルクはおつけしましょうか。・・・いいです。(要りません。つけなくてもいい)

・領収証は必要ですか。・・・いいです。(要りません)

 

皆さんも日本語をたくさん使って、わからないことはそのままにしないで是非周りの日本人に聞いてみてください。不思議な経験は決して忘れずに、きっと記憶に深く残っていきますよ。