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日本の伝統的な手漉き和紙の物語

この記事は、MADALAND様からご寄稿いただいたものです。

JR北陸本線武生駅から南東へ車で約15分。福井県五箇村(現在の越前市今立町とその周辺)は、越前和紙の発祥の地であり、和紙そのものの発祥の地であると言われています。

今から約1,500年前、継体天皇(507-531年)が越前を行幸した際、侍従の川上御前が五箇の里人に紙漉きの技術を伝授したと伝えられています。『日本書記』の史料に初めて登場します。その後、大化の改新(645)年により越前に都が置かれると、この地で紙漉きが盛んに行われるようになりました。

また、天平勝宝7(755)年には経典を書くための紙が越前から税として国に納められ、延長5(927)年には紙原料である楮、雁皮、きねりなどが国に送られています。以来、越前和紙はピカソやレンブラントなど国内外の著名な芸術家に愛され続け、その創作活動に利用されてきただけでなく、日本の銀行業の近代化にも欠かせない伝統工芸品となっています。

1661年、福井藩は越前和紙五箇村の紙漉き職人に依頼して、日本初の藩札を発行したところ、このお札が評判となり、その後彦根や尾張でも越前和紙の地域通貨が発行されるようになりました。そして明治時代、新政府が発行した全国紙幣「太政官金札」も越前和紙の良さを生かしたものとなりました。また、1940年には当時の抄紙部(現在の国立印刷局)が五箇に設置され、丸10年間この地で稼働を続けました。

越前和紙は、1500年の歴史の中で早くから皇室産業として庇護され、高品質の和紙を世に送り出すことになったものの、日本の他の和紙産地を凌駕する高品質の需要に応えるためには地元だけで原料を調達することは不可能でした。そこで、全国からの楮、雁皮、みつまたを使いながら、職人たちは技術を磨き、藁(穀物の乾燥茎)、竹、パルプ(木材、繊維作物、古紙などからセルロース繊維を分離した繊維状のもの)などを混ぜ合わせた新たな魅力ある和紙がつぎつぎと開発されました。

1950年代半ばになると、生産者たちは伝統的な技術と近代的な機械の使用を融合させ、小さいながらも画期的な生産方法を生み出しました。「ふすま紙」「こま紙」「千代紙」など、それまで不可能とされてきた紙の大量生産による大幅なコストダウンやスピード化に成功しただけでなく、これまた不可能とされてきた「雁皮」の地元での栽培にも挑戦しています。

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