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町内会・自治会とは? 外国人の加入は?

日本には地区ごとに、町内会(自治会)という地域住民が運営する組織があり、イベントの開催や防災訓練、地域社会をよりよくするための活動が行われております。不動産の売買契約や賃貸借契約の重要事項説明書に「入居者は町内会(自治会)に加入するものとする」と記載されていて、戸惑った事がある方がいらっしゃるかもしれません。今回は、そもそも町内会とは何なのか、入った時と入らなかった時のメリットとデメリットについて、また、外国人の町内会への加入や地域社会への関わりについてご説明します。

町内会と自治会の違い

町内会と自治会は、呼び方が違うだけで同じものです。地域によってはその他の呼び方をする所もあるようです。

*以降、この記事では町内会と表記します。

日本の町内会とは何をする組織か

町内会は、地域の住民によって運営される自治活動の為、地域によって活動内容にばらつきがありますが、主に以下の様な活動を行っています。

・住民の交流(夏祭りや運動会などを主催)

・回覧板(会員間で回し読みする、地域内や行政の情報が掲載された文書)の手配

・災害時の助け合い及び防災訓練

・ゴミ収集場所の清掃と管理

町内会は必ず加入しなければならないのか

町内会は地域住民による任意団体ですので、必ず参加する必要はありません。また一度加入した後に脱会する事も可能です。

町内会に入るメリットとデメリット

町内会に入るメリット

・様々な行事・活動を通して地域の人と顔見知りになり交流が生まれるので、何か助けが必要になった時などに、コミュニケーションがとりやすくなる

・お子さんのいるご家庭の場合、町内会主催の子供向けイベントに参加できたり、学校や遊び場所の情報が得られる

・防災訓練を通して、日頃の備えや、防災に関する情報が得られる

・行政に対して、ガードレールの設置や道路の補修等について要望を提起できる(個人でも提起できますが、行政は地域住民団体の要望の方が重要視してくれる傾向にあります)

町内会に入るデメリット

・費用がかかる

町内会によって異なりますが、月額500円前後が多いようです。場所によっては、2,000円以上支払う所もあります。一年分をまとめて支払う自治会も多いようです。*賃貸住宅の場合、「管理費」や「共益費」として徴収されていたり、貸主が代わりに支払ってくれている場合もあります。

・各種の活動や行事への参加を求められたり、役員にならなければならない事もある

行事の開催の準備や役員活動には一定の時間がかかりますので、人によっては負担になります。

町内会に入らないデメリット

・ゴミ収集場所が使えなくなる可能性がある

町内会によっては、会員以外は収集場所を使えない規則にしています。但し、会員でなくとも収集場所の清掃に参加する事を条件に使用を認めたり、会員以外の使用を禁止する規則を元々設けていない会も多数あります。

・回覧板が回って来なくなる

町内会の情報を知る事は出来なくなりますが、行政の情報を知る手段は他にもありますので、それほど困る事はないかもしれません。

外国人の町内会加入について

近年増えつつある外国人居住者の町内会への加入ですが、多言語による案内を作成して積極的に加入を促している自治体も多数あります。地域住民との交流や相互理解が促進され、外国人の住民もお祭りなどの楽しいイベントに参加しやすくなり、町内会を通じて近所付き合いを楽しんだり助け合ったりしている事例はたくさんあります。地域住民との交流を深めたい方や、日本の生活を通じた文化を学びたい方には町内会の加入はお薦めです。

町内会についてのまとめ

加入するかどうかは自由ですので、前述のメリットとデメリットをご自分の生活に照らし合わせて検討される事になるかと思います。判断に窮する事ですが、小さなお子様がいる場合や一日も早く地域に溶け込みたいと考えていらっしゃる方は、加入するのも良いかもしれません。活動内容や金額は町内会によってかなりばらつきがありますので、予め地域の不動産屋に加入の可能性のある町内会の活動内容を確認してから、加入するかしないかの判断をされる事をお勧め致します。