Created for expats living in Japan

外国人向け 日本の賃貸マンションのルールとマナー

日本での生活、特に賃貸マンションでの生活を快適に過ごすためには、日本の文化やマナー、ルールを理解しておくことが非常に重要です。諸外国とは違った日本独特の慣習もあるので、日本に初めて住む外国人の方は、以下のガイドラインを参考にしてください。周囲との調和を保ちやすくなり、賃貸借契約に違反することなく過ごせます。

1. 共用スペースをきれいに保つ

マンションの入口や通路、エレベーター、玄関前などは共有スペースです。私物(自転車やベビーカー)を置いたり、共用スペースを汚したりしないようにしましょう。バルコニーや共用部分での喫煙は禁止されています。また、ベランダも共用部にあたるため、多くの物件でバーベキューが認められておらず、火を使う花火も禁止です。

2. 入居者・入居人数限定

日本の賃貸物件は、入居申し込みの段階で、通常誰が入居者となるのか、何人で居住するのか等を含め、貸主の審査を経た上で賃貸借契約締結となり、入居者に変更が生じた時は事前に貸主に届け出て承諾を得る必要があります。貸主の許可を得ずに入居者や入居人数が増えたりする事は契約違反となります。 

3. サブリース禁止

アパートの又貸しや転貸は、通常禁止されています。違反すると退去や法的措置が取られることがありますので、契約書の条項に従いましょう。

4. 喫煙

賃貸契約書に特に制約事項がない場合、室内での喫煙は可能です。ただし、バルコニーや共用部分での喫煙は禁止されています。室内で喫煙した場合、壁や天井のヤニ汚れや臭いの除去が必要となり、原状回復費用や清掃費が高額になることがありますので、ご注意ください。

5. ゴミの処理

日本では自治体ごとに、ゴミの出し方や分別の仕方のルールがあります。ゴミの出し方が間違っていると、他の住人への迷惑にも繋がりますので、お住まいの地域の役所が発行しているガイドラインを必ず確認し、指定された回収日に出しましょう。

>> Separation and Disposal of Garbage and Recyclables in Tokyo

>> Disposal of Oversized Garbage in Japan

>> How to Properly Dispose of Cooking Oil in Japan

6. トイレに流してはいけないもの

トイレには排泄物とトイレットペーパー以外のものを絶対に流さないでください。詰まりの原因となり、修理が必要になった場合は費用をご負担いただくことがあります。

以下のものを流すと深刻な詰まりの原因となるため、絶対におやめください。

・食べ残し・残飯類
・おむつ
・尿もれパッド
・生理用品
・ティッシュペーパー・ウェットティッシュ・紙おしぼり
・ペット用トイレ砂
・その他の異物

万が一、詰まりが発生した場合は速やかに管理会社へご連絡ください。

7. 生活音や楽器の使用

日本では、特に住宅街では静けさが重んじられています。夜間や早朝の時間帯には、特に音量に気を付けることが大切です。多くのマンションでは、夜10時から朝8時までの間、騒音を最小限に抑えることが求められています。これには会話、テレビの音量、音楽などが含まれます。

掃除機をかけたり、洗濯をしたり、家具を動かしたりする日常的な作業は、近隣の人々に迷惑をかけないために、日中に行うようにしましょう。

楽器の使用

『楽器可』とされているマンション以外では、原則として室内での楽器演奏は認められません。どうしても演奏したい場合は、楽器可の物件を探すか、練習スペースを借りることを検討しましょう。

8. 無断リフォーム禁止

貸主の許可なしにマンションの内装を変更することはできません。壁の塗装や設備の取り付けなど、変更を希望する場合は、必ず事前に貸主に相談し、許可を得ましょう。

9. 土足禁止

日本では玄関で靴を脱ぎ、スリッパや室内履きに履き替える習慣があります。特別な許可がない限りは室内では土足厳禁です。

10. ペット

ペット飼育はペットが認められている物件のみとなります。

>> 賃貸物件でのペット飼育

11. 設備が故障したら報告を(勝手に修理しない)

日本の賃貸物件では、エアコン・ガスコンロ・ガス給湯器・照明などのもともと設置されていた設備が故障した場合の修理費用は、オーナーが負担するのが一般的です。故障の際は必ず大家さんや管理会社に連絡をしましょう。

12. 鍵を紛失した場合(勝手に鍵を変えない)

賃貸物件の鍵を紛失した場合、鍵の交換は貸主の許可なしには行えないことにご注意ください。賃貸物件の鍵を紛失した場合について詳しくはこちらをご覧ください

13. 善良なる管理者の注意義務

民法定められている借主の義務

「借主は社会通念上要求される程度の注意を払って賃借物を使用しなければならない」

善管注意義務違反の具体例

・特別の清掃をしなければ除去できないカビ等の汚損を生じさせた場合

・飲み物をこぼしたままにする、あるいは結露を放置するなどにより物件にシミ等を発生させた場合

・賃貸人に通知する必要があるとされており、通知を怠って物件等に被害が生じた場合(階下への水漏れ)

善管注意義務違反によって発生させたカビやシミ等は退去時の原状回復の対象となります。また、階下への水漏れ等の大きな被害を与えた場合には、貸主から損害賠償請求の対象となります。  

>> 参照記事

14. 退去時の注意事項

退去が決まったら連絡をする

住んでいる賃貸物件の退去が決まったら、明け渡し日に関してオーナーや不動産会社に連絡するのが日本の不動産の一般的なルールです。

家具無し物件の場合

家具や家電、ゴミなどを一切残さず、必要な清掃を行いましょう。不用品を残して退去した場合、その処分にかかった費用は借主に請求されます。 

家具・家電・備品付きの物件の場合

最初に設置されていたものをすべて残して退去する必要があります。誤って持ち帰った場合は、後日請求の対象となりますのでご注意ください。こちらも不用品を残して退去した場合、処分にかかった費用は借主に請求されます。 

入居中についた傷・汚れについて

自然損耗や経年劣化を除いて、入居者の故意・過失に基づく傷・汚れは、借主負担となります。詳しくは、こちらの「退去時の原状回復と費用負担について」をご参照ください。

まとめ

日本で生活するには、日本の文化やルール、慣習を理解することが重要です。これらのガイドラインに従うことで、落ち着いた快適な環境の中で生活をすることができ、同時に隣人やコミュニティとの良好な関係も築くことができます。