この記事は、COMMU忍(NIN)CATION様からご寄稿いただいたものです。
映画、アニメーション、漫画、ゲームやキャラクターなど、思い浮かべるものは世代によって違うかもしれません。日本以外の国では、アスレチックジムやウェブサイトの名称等々に使われており、幅広いイメージがあるようです。
一般的には、幻術を使い優れた身体能力を駆使して戦うのが忍者のイメージではないでしょうか。これらは、お芝居や漫画などフィクションで描かれたものがイメージの元になっています。
ところが近年、学術的な研究が進んだことで忍者の主なミッションは 以下だったことがわかってきました。
(1) 有益な情報を得て
(2) 必ず生きて帰り
(3) 主君に情報を伝える
かつての城主が忍者を使った目的は、敵に勝つことはもちろんですが、戦の規模を小さくして自軍の損失を減らす、もしくは有益な情報があれば無駄な戦を回避しつつ優位に立てる、という理由からです。
紀元前に書かれた孫子の兵法にも「戦わずして勝つ」ことの重要性が説かれています。
たとえ連戦連勝だったとしても、戦いを繰り返すことで土地が荒れ、兵力は傷つき減っていきます。当然、食糧や武器も不足していき、軍の疲弊は免れません。そして負けた方は別の方法で報復を企むという負の連鎖が生まれるのです。戦による双方の損失は計り知れません。
情勢不安定な時代において、戦が最小限にとどまることで地域の安寧や自分の家族が守られる、ということが忍者の最終目的になります。
遡れば忍者が誕生したきっかけは、伊賀・甲賀地方において領主がいなかった時代に、自分の住む集落を守るための集団が情報を集め、武装したことからという説があります。そのため、様々な方法で情報を得ることに長けた、当時としては特殊な存在だったのです。
忍術とは忍者が用いた術の総称です。忍術とは魔法のような幻術でなく、小が大を制する自衛のための生存術です。たとえ勢力が弱い地域であっても、情報を活用することによって生き延びることへの可能性が高まります。
そのため忍者は、対話術、変装術、武術、天文学、薬学、火薬や呪術など広範囲にわたり、当時としては最先端の知識と技を身に付けたのです。不安定な時代に生き延びるための知識と実践の集大成だったと言っていいでしょう。
少し忍者に対するイメージが変わったかもしれませんね。次回は情報取得を叶える、忍者のコミュニケーション術についてお伝えします。どうぞお楽しみに!
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