日本ではクレジットカードや電子マネーの普及が進んでいるにもかかわらず、日常生活ではまだまだ現金で支払うこともあります。クレジットカードが使えないレストランやお店がまだあることに驚かれる方も多いでしょう。幸い、日本は安全な国であり、日本の通貨は慣れるととても使いやすいです。ここでは、日本の通貨(紙幣と硬貨)とその使い方について知っておくべきことをご説明します。
この記事の英語版は Money in Japan (Banknotes and Coins) をご覧ください。
日本から海外へ、または海外から日本へ送金したい方は、以下の英語の記事をご覧ください:「International Money Transfers from Japan」、「International Money Transfers to Japan」。また、日本での銀行口座の開設やクレジットカードを作るのに必要な書類等(英語)についても解説しております。日本の消費税については、こちらの英語の記事をご覧ください。
紙幣4種類、硬貨6種類の計10種類
紙幣は、10,000円札、5,000円札、2,000円札、1,000円がありますが、2,000円札はほとんど見かけません。諸外国に比べると日本の紙幣はとても綺麗で、汚れやシワが少ないことで驚く外国人も多いといいます。2024年7月3日から、1,000円、5,000円、10,000円の新紙幣が発行されます。
2004年11月1日より発行
日本銀行が発行している紙幣の中で最高額。
2004年から発行される紙幣の表面には福沢諭吉(1835 – 1901) の肖像があります。福沢諭吉は明治時代の日本の武士、思想家、教育者。 慶応義塾大学の創設者。 著作の 「学問のすゝめ」が有名です。裏面には平等院の鳳凰像が描かれています。 鳳凰像は京都の平等院の屋根に立っており、人々に幸せや喜びをもたらすという伝説があります。
2024年7月3日より発行
出典:国立印刷局ホームページ (https://www.npb.go.jp/product_service/intro/kihon.html)
2024年から発行される紙幣の表面には「日本資本主義の父」とも知られる日本の著名な実業家、渋沢栄一(1840〜1931)の肖像があります。約600の社会公共事業と第一国立銀行を含む500の企業に関与し、日本経済において重要な役割を果たしました。この紙幣の裏面には東京のランドマークとして有名な東京駅の丸の内駅舎があります。東京の歴史について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
一万円札は自動販売機や駐車場の支払い時に使用できないケースが多いので注意が必要です。電車の切符や定期を購入する自動発券機では使用可能です。日本におけるICカードについては、こちらの英語の記事をご覧ください。タクシーで短い距離を乗ったときに一万円札を出すと、運転手がお釣りの用意がなくて困ってしまうことがあります。
2004年11月1日より発行
2004年から発行される5,000円札の表面は樋口一葉(1872 – 1896)の肖像。 樋口一葉は東京生まれの明治時代の日本の女性小説家。 24年の生涯の中で日本の近代文学史に残る数々の作品を残しています。裏面は尾形光琳作(江戸時代の画家、工芸家)の国宝「燕子花」。
2024年7月3日より発行
出典:国立印刷局ホームページ (https://www.npb.go.jp/product_service/intro/kihon.html)
2024年から発行される紙幣の表面には明治時代に女子高等教育の発展に努めたことで知られる日本の教育者、津田梅子(1864~1929)の肖像があります。日本が海外(アメリカ)に送り出した最初の女子留学生の一人だけではなく、最年少でした。1900年に日本史上初の女子高等教育機関の一つとなる女子英学塾(のちの津田塾大学)を設立しました。紙幣の裏面には藤の花があります。日本の美術や文学等に描かれる藤の花は、長い間日本文化の一部となっております。
自動販売機や駐車場の支払いなどでは使えないケースが多いので注意が必要です。ただし上記同様、電車の自動発券機では使用可能です。
2000年7月19日より発行
西暦2000年のミレニアムと沖縄サミットを記念として発行された紙幣で、ほとんど見かけることはありません。日本の紙幣で唯一表面に人物が描かれておらず、代わりに沖縄県の守礼門が描かれてます。 裏面は源氏物語絵巻の「鈴虫の巻」。
自動販売機や交通機関の券売機などではほぼ利用できません。
2004年11月1日より発行
2004年から発行される1,000円札のおもて面は野口英世。野口英世(1876 – 1928)は福島県出身の日本の細菌学者。梅毒病原菌の構造の解明や黄熱病病原体を発見した等の功績があり、ノーベル賞の候補にも挙がりましたが、西アフリカで黄熱病の研究中に感染して亡くなりました。裏面は逆さの富士山(新潟県出身の岡田紅陽撮影)と桜がデザインされています。富士登山をお考えの方は、是非この英語の記事をご覧下さい
2024年7月3日より発行
出典:国立印刷局ホームページ (https://www.npb.go.jp/product_service/intro/kihon.html)
2024年から発行される1,000円の紙幣の表面には「日本近代医学の父」として知られる著名な細菌学者、北里柴三郎(1853~1931)の肖像があります。1889年に破傷風菌の純粋培養を世界で初めて行ったこと、1894年にペスト菌を発見したこと等、多数の功績も残しました。そして、慶應義塾大学医学部の初代学部長と日本医師会の初代会長でした。お札の裏面には葛飾北斎(1760~1849)の富嶽三十六景のシリーズの1枚である「神奈川沖浪裏」が描かれています。「神奈川沖浪裏」は有名な浮世絵師である葛飾北斎の広く知られている名作です。
2021年11月1日より発行
2000年8月1日より発行
日本の硬貨の中で一番大きい額。 表面には桐、裏面の上下には竹や橘が描かれています。2021年発行の500円玉と2000年発行の500円玉は直径は同じですが、重さがわずかに異なります。新たな硬貨は7.1グラムであり、旧500円硬貨は7グラムであります。材質も違います。旧硬貨はニッケル黄銅ですが、新たな硬貨はニッケル黄銅のほかに銅と白銅を含んでいます。またデザイン等にもいくつかの違いがあります。最近では、「ワンコイン」ランチが流行っていますが、「ワンコイン」とは500円を意味します。
表面は八重桜のデザイン。 普段の生活で一番よく使う硬貨です。自動販売機やバスで支払う時に持っていると便利です。日本のバスの乗り方等についてはこちらの英語の記事をご覧下さい。
表面には菊の花があり、中央に穴が空いています。
表面には平等院の鳳凰堂があり、色は茶色。 自動販売機などで使用可能な最小額の硬貨。
中心に穴が空いており、表面には稲穂、水、歯車が描かれています。 日本では、5円(ゴエン)はご縁に通じ、縁起が良いと言われ、神社などで賽銭として使われることもあります。神社とお寺の参拝方法についてはこちらの英語の記事をご確認下さい。自動販売機では使えません。
表面には若木で、色は銀色のアルミニウム製。 重量は硬貨の中で一番軽く、自動販売機では使えません。
日本ではクレジットカードが使えないところもあるので、現金を持ち歩くと便利です。日本に到着する前に外貨両替をしていない場合は、空港で外貨両替をすることができます。日本にある銀行の一部でも両替が可能です。また、外貨両替機やワールドカレンシーショップやトラベレックス等の外貨両替店もあります。ゆうちょ銀行やセブンイレブン等の銀行とコンビニに設置されているATMでは、VISAやマスターカード、そのほかの利用可能なカードを使って日本円を引き出すことも可能です。 コンビニで利用できるサービスについてはこちらの英語の記事をご覧下さい。どのように両替するか、日本円を引き出すかを決める際には、為替レートや取引手数料などを考慮した上で行うのが重要です。
日本では欧米と違い、規定料金の他にチップ(料金の10-15%)を支払うという習慣はありません。チップ相当額は料金に含まれております。ただし、行きつけのお店での食事や特別なサービスを受けた場合に心付けを渡したり、タクシーなどでお釣りを受け取らずに運転手の方に渡すことはあります。
例) レストランで
テーブルの上にチップを置いて帰った場合、従業員は忘れ物だと思って追いかけてきてお金を返してくれるでしょう。日本のレストランでのマナーについてもっと知りたい方は、英語の記事「Restaurant Etiquette in Japan: How to Avoid Serious Mistakes」をご覧ください。
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