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経営セーフティ共済を利用した節税対策

この記事はWINgs llc.様からご寄稿いただいたものです。 

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)をご存じでしょうか。中小企業基盤整備機構が日本国内の中小企業向けに提供する小規模企業共済の一種です。 この共済は、取引先が倒産し、売掛金などの債権回収が困難になった場合に中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐために作られた制度で、加入しておくことで融資が受けられるようになります。

1978年の制度開始以来、2022年3月現在、約59万社の企業・事業者が加入しています。加入することにより節税効果の恩恵も得られるため、日本国内では個人事業者と中小企業に人気のある共済です。

掛金は全額費用計上が可能(損金算入)

経営セーフティ共済に加入した場合、毎月掛金を支払う必要があります。 掛金は5,000円~20万円(5,000円単位)の範囲内で自由に設定することが可能。

この掛金は全額が経費(損金)になります。例えば生命保険の場合、一般的には掛金の1/2しか経費にならないので、倒産防止共済の方が節税効果は大きいと言えます。掛金の変更を希望する場合は、申込書を提出することにより変更することができます。ただし、事業規模が縮小した場合や経営状態が著しく悪化した場合でないと減額が認められない為注意が必要です。また、掛金は総額800万円に達するまで積み立てることができます。

保険料を40ヶ月以上払い込んだ場合、積立金が100%戻ってきます

契約はいつでも解約できます。解約時には、積み立てた掛金を解約返戻金として受け取ることができますが、掛金を支払った月数によって返戻金の額が異なります。

40ヶ月以上掛金を納めている場合、これまで納めた掛金の全額を受け取ることが可能です。ただし、この解約返戻金は収益(益金)であることに注意が必要です。解約返戻金を収益として受け取ると税金が増えることになってしまう為、それまでに節税してきたことが無駄になりかねません。

そこで、退職金や大規模修繕などの(支出時の損金になるもの)出費があるタイミングでの解約を計画することをおすすめします。また、別の方法としては赤字になった際に解約するのも資金調達と、決算書の見栄えを改善することができます。

取引先が倒産した場合、積立金額の10倍の貸付が受けられます 

倒産防止共済は、取引先が倒産した場合の連鎖倒産を防ぐことを主目的としています。そのため、取引先が倒産した場合でも、この制度を利用すれば貸付を受けることが可能です。( 法的に倒産していることが条件で、夜逃げなどは倒産の定義には該当しない為貸付を受けることができません)

貸付限度額は、これまでに積み立てた掛金総額の10倍以内(ただし、取引先の倒産による未回収分以内)で、無担保・無保証で借りることが可能です。なお、貸付は無利子とされていますが、貸付を受ける際に掛金総額の1/10が差し引かれるので、この1/10が実質的な利子と言えます。返済期間は借入金額に応じて5〜7年です。

取引先が倒産していなくても貸付が受けられます

倒産防止共済に加入されている方は、取引先が倒産していなくても、一時的に貸付を受けることができます。貸付限度額は、保険料納付月数に応じて次のとおりです。

一時貸付金についても無担保・無保証で借りることもできますが、利子は発生します。また、返済期間は1年間と設定されております。

小規模企業共済と倒産防止共済の制度の違いについて

小規模企業共済の契約者は個人、倒産防止共済の契約者は法人という違いがあります(ただし、個人事業主の場合は契約者は個人)。そのため、小規模企業共済に加入した場合は、個人として掛金を支払うことになり、所得税の節税に繋がります。

一方、倒産防止共済に加入した場合は、法人として掛金を支払うことになり、法人税の節税に繋がります。また、小規模企業共済の脱退(解約)時に受け取る共済金(解約返戻金)は個人の所得(退職所得または雑所得・一時所得)となりますが、倒産防止共済の解約時に受け取る解約返戻金は法人の収益となります。それぞれ用途が異なる為、きちんと区別し使い分けることが重要です。

倒産防止共済の加入資格

倒産防止共済は、1年以上事業を継続している法人または個人事業主が対象です。事業開始後1年未満の場合は、倒産防止共済に加入できませんのでご注意ください。また、業種毎に下記の要件を満たす法人・個人事業主は倒産防止共済に加入することが可能ます。

※自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く。

これは節税をするためのほんの一例であり、他にもお伝えできることはたくさんあります。合同会社WINgsは、新宿駅前にオフィスを構え、日本で事業を営む外国籍経営者の方々の夢やビジョンを応援し、共に成長できる道を歩んでいくことを目指しています。

バックオフィスサービスにて経理、総務/人事、開業サポートなど事業に関係する業務をサポートしていきます。 また、バックオフィスサービス以外にも、タックスプランニングや財務戦略など、企業の成長を支援するフィナンシャルアドバイザリーも行っております。

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